【太陽光発電量の実測結果】5kW・110万円のソーラーパネルは何年で回収できた?(2016/11から2023/4の記録)


ソーラー発電をしたら、いつ頃、元は取れるかなぁ・・・?!

2016年11月に太陽光発電(屋根のソーラーパネル)を設置してからの発電量(売電)実測レポートです。(2023/4更新)

設置して6年3か月目で、設置費用の回収ができました!

(売電収入+自家消費による電力料金の減少額の合計が、設置費用を上回りました) (2023/1)

 

発電量・売電収入の長期記録(5kW・110万円で設置)

2016年当時、ソーラーパネルの設置を検討していました。でも本当に電気代が安くなるのか?設置費用は回収するのに何年かかるのか?屋根は傷まないか?すぐ壊れないか?いろいろ心配毎がありました。

cs6a-230m

飛び込み営業で来る会社は・・・正直いまいち

時々飛び込み営業で来るソーラーパネル販売会社。見積もりを出してもらうと、最大搭載が2KWで130万円だったり、4kWで200万円など・・・思いのほか搭載できるパネル容量が少ないなぁ・・・。と落胆の日々。

京セラ、東芝、パナソニック、ソーラーフロンティアなどの国産メーカで単結晶パネルの効率は20%に迫る一方、パネル価格が高い・・・。他のメーカーは「パナソニックと同じパネルを使っているのですよ!」などの説明があるが、発電効率が記載していなかったりで、ちょっと不安。

こちらからネットで見積依頼をしてみることに

10年経っても回収できない可能性があり、半ばあきらめ。とりあえず、あきらめることを決定するために、ネットである程度信頼できそうなところに見積り依頼をしてみました。

とは言いつつも、予算にも限界があるので、とりあえず予算感を示して、高かったり条件が合わないと契約しない前提で、現地調査をしてもらいました。

すると、意外なことに5kW超の容量で税込約120万円という見積もりが来ました。パネルメーカは「カナディアンソーラー」・・・どこ?カナダ?! 効率19.6%って書いている けどほんと? さらに5KWもうちの屋根に載るんだったっけ・・・?

・・・そんなこんなで、ちゃんと回収できるか半信半疑で設置してみました。

ということで設置してみました

設置のいろいろについては、下の方に記載するとして、まずは発電量について記載します。

日々の発電量

5kWのモジュールでも実際はそれほど発電するはずはないでしょ、と思いつつ、発電量の瞬時値を図ってみました。

晴れた日で太陽光が全面に当たった場合で5.5kWの瞬間発電量を確認。モジュールの容量よりも発電するんですね・・・

コンディショナーのパネルにはもう少し大きい値が表示されることもあります。

カラー表示ユニットで確認できます。

設置してから2か月の様子

2016/11/10から2016/12/31までの間のランキング(秋〜冬)

秋〜冬の一日の発電量は多くても35kWh程度でした。

1〜3月頃の発電状況

2017/1/1から2017/3/18までの間のランキング(冬〜春)です。

瞬間発電量では5.5kWの発電をしています。

1時間単位でみた場合は最大4.8kWhでした。意外なのが2月でも3月でも4月でも概ね最大は4.8kWh。2月ってあまり発電しないイメージがあっただけに意外 。

でも、天気によってはほとんど発電しない日も。平均すると一日15kWh程度です。

 

2月の終わりになって30kWhを超える日もでてきます。

4〜6月の発電状況

4月を過ぎると発電量は増えてきて、35kWhを超える日もあります。

(2017/1/1から2017/6/4までの間のランキングです)

お天気が良い日の発電状況

4月28日はこれまでで一番多い発電をしており、一日で35.6kWhの発電をしていました。時間当たりでみた場合、ピーク時はお昼前で約5kWh発電をしていました。

 

いいお天気の日は、発電量がきれいな弓なりになっています。

お天気が悪い日の発電状況

お天気が悪い日はこんな感じでガクガク。これを見るだけでどんなお天気だったかもすぐにわかります。

※2019年現在も、だいたい同じような傾向で、3〜5月が発電量のピークになります。気温が高くなると、発電効率が低下する傾向がみられます。

発電量・消費量・売電・買電の記録

さて、更に引き続き継続して関西電力の明細書と、ソーラー発電システムの集計結果から、売電量などを集計してみました。

なお、電力会社の明細書に記載された使用電力量と、システムで表示されている買電の電力量はほぼ一致しているため、正しいものとして考えます。

ソーラーパネルで発電した電力は、まず自家消費し、余剰分を売電します。そのため「支払う電気代が下がった額=自家消費相当額」+「売電額」 が、ソーラーパネル設置によるメリット額とします。

6年2か月間の結果です

  発電量
(kWh)
消費量
(kWh)
買電量
(kWh)
電気料金
(円)
売電量
(kWh)
売電額
(円)
自家消費
(kWh)
自家消費
相当額
(円)
2016年
11月〜
718 850 622 34,656 490 22,072 228 6,484
2017年 7,093 5,992 3,916 108,938 5,017 155,000 2,076 58,128
2018年 7,185 6,429 4,041 111,646 4,797 151,714 2,388 66,864
2019年 6,932 7,269 4,590 129,292 4,253 132,153 2,679 75,012
2020年 6,976 8,782 5,536 154,210 3,730 109,740 3,246 90,888

2021年

6.994 8,763 5,478 155,940 3,709 113,987 3,285 91,980

2022年

7,135 8,931 5,615 175,701 3,819 119,195 3,316 92,848
合計 43,033 47,016 29,798 870,383 25,815 803,861 13,902 389,256

※2016/11/10に設置。

※自家消費は、発電量−売電量 ※自家消費相当額は 28円×khwで算出

※電気料金は、実際の請求額  ※売電額は実際の振込額(約31円×kwh)

毎月(2016-2018年の間)集計したデータはこちらです

・・・ということで計算

上記の表から、費用対効果を見てみました。

なお、我が家は、ほぼ一日中、家に居る状況で、2020年からは在宅勤務で複数のパソコンをつけっぱなししています。

ご不在がちの家ならば、売電量が多くなり、もう少し早く初期費用が回収できたと思います。

経過月数 6年2か月
ソーラーパネル設置にかかった全費用(税込) 1,198,368円
メリット額(自家消費相当額(電気代削減分)+売電収入) 1,193,117円
進捗率(メリット額÷設置にかかった全費用) 約100%!

設置から6年3か月目には、設置にかかった費用が回収できました!

なお、2020〜2022年はコロナ禍でほぼ家で在宅ワークで電力使用量が増加していました。このため、買電量が増え売電量が減少し ておりました。もし不在がちな家の場合、もっと早く回収できていたと思います。

この間、台風の直撃や豪雨などがありましたが、パネルやコンディショナーは壊れず、家も雨漏りもせずに無事動作していました。

(参考) 設置条件

・設置場所: 奈良県 ほぼ南向き  遮断物無し

・パネル 1324mm×984mm(CS6A-230MSB, 230W) ×22枚 (28.7平方メートル)

・屋根:平屋根(洋風瓦) 屋根角度:5.0寸

・回路:2回路(11枚:2.530Kw×2)

コントローラーの集計画面

設置してから6年半分の集計結果です。

こちらは、2016年・2017年の各種集計結果

 

こちらは、2018年・2019年の各種集計結果

 

こちらは、2020年・2021年の集計画面です。

コロナ禍でフル在宅勤務となったため、電気使用量が増加し自給率が下がっています

 

2022年もまだコロナ禍でフルで在宅勤務なので、電気使用量が多い状態です。

 

右側は2022年の一日の発電量ランキングです。

こちらはどれだけ地球環境に貢献できたかを示す内容です。

まあエコに貢献できたということで理解しておきます。

 

設置したソーラーパネルの詳細

設置したのは以下のソーラーパネル。小さい割に高出力で、パネル一枚が小さいので、ちょうど屋根を効率的に使える大きさでした。

cs6a-230m 1枚(ユニット)あたりのサイズが小さめです。

型式番号: CS6A−230MS

メーカー名: カナディアン・ソーラー

太陽光パネルの種類: A1:単結晶のシリコンを用いた太陽電池

変換効率種別: 実効

変換効率除外事項該当性: チェックなし

変換効率: 19.60%

パネル数: 22枚設置

発電出力: 5.000kW

※申請内容より

ちなみに、「単結晶シリコン」型のソーラーパネルは20%近い発電効率があり、昔から効率の良い方式と言われていますが、一方、一般的に「高い」とも言われています。

今回搭載したパネルの変換効率19.6%ということです。

かかった費用について

既に前述ではありますが、予算にも限りがあるので、総額税込120万円以内をターゲットにして交渉しました。

結果 1,109,600円+消費税 88,768円 = 1,198,368円

内訳は、

・パネル1枚(230W)で単価19,500円×22枚

・パワーコンディショナ 5.5kW対応で119,000円

・接続箱 8,300円

・カラー表示ユニット 49,000円

・延長ケーブル(20m) 7,800円

・洋風瓦屋根用専用金具セット 155,000円

・標準工事 399,500円

・経産省・関電申請諸費用 32,000円

・値引き -90,000円

とのことでした。

ちなみに230Wのパネル1枚で2万円! 安すぎる!!

昔(20年前)は単結晶だと1枚20〜50万円だったんだよなぁ・・・(しみじみ)

コンディショナーやカラー表示ユニットは国内メーカ製(なんとSANYO・・・もう存在しないですね・・・)。

デザインもシンプル。カラー表示ユニットは小型タブレットのような大きさでワイヤレス接続です。

いろいろ独自に調べた結果、見積もりのチェックポイント

「標準工事」は、値引き後で30万円になっていた。作業する人件費が発生するので、工事費で30万円は妥当なラインかなぁ。これを下回るような金額での工事だと、逆に若干心配かも。

明細に内訳がきちんと記載されていることも大事。(ケーブルなどはm当たりの金額などもきちんと記載している方が良いかも)

その他で丸められている場合は気を付けた方が良いかも・・・です。

単価に違和感が無いこと(やたら安い、やたら高い)も大切と思います。特に「やたら安い」ということもチェック要素かも。

 

メーカー選定・業者の交渉の注意点

いろいろなパネルの調査や、いろいろな業者に見積もり依頼をしました。

その時に気づいたことを記載します。

飛び込み営業のソーラーの業者がやってきて見積もりをもらうも、どれも若干怪しい。市場価格だけでも知りたかったので、とりあえずネットの見積もりサイト(ソーラーパー〇〇〇)に入力。正直ネットの見積もりサイトは信用していなかったので、大丈夫かなぁー、とは思ってましたが、意外と丁寧な対応。そこから紹介を受けた業者(ニュー〇〇という大阪の会社)は、もともと屋根関係の会社で瓦職人を有していて、実績も多いとのこと。対応や感じも良く、提案内容も要望に沿っていて、価格も予算内であったため決定。

でも、結局、決めるまでの事前調査だけで半年以上かけてしまいましたが・・・。

<経験的に思う、業者見極めの注意ポイント>

いろいろ聞いたり、調べたり、実際に見積もりをしてもらった結果、以下の業者はやめた方が良い・・・かもしれないです。

飛び込み営業で来る・・・ソーラーがついていない家を片っ端から回る。

⇒ 経営が切羽詰まってるか、悪質業者のリスクあり(ちゃんとしたところもありますが)。 不具合時の補償ができない、適当な施工をしてその後連絡つかずという場合も・・・。来る業者はあまり信用せずに、自分から主体的に業者を選んだほうが良いと思います。例えば「ここだけの話、パナソ〇〇〇と同じパネルを使っているのですよ!」などとPRしてくるケースもありました。しかし資料上はどこにも記載は無かったりするので要注意です。また発電効率も記載が無い場合も少し心配した方がよいです。


大幅値引きをする、価格の根拠が不明確・・・見積もりが合計金額だけの提示で、積み上げになっていない場合も要注意。

「230万円から100万円引いて130万円!」など、根拠がよくわからない大幅な値引きをして来る場合や、パネル1枚の単価が表示されていなかったり、ケーブルの単位当たりの金額の記載が無かったりという場合も注意です。

相場価格は分からないだろうと、見積書の値引き前価格が相当高い金額を記載している場合もあります。

提示価格が積み上げになっていなかったり、値引きがざっくりされている場合、いい加減な会社の可能性が高いです。ひどい場合は、後で価格を変えてくる、上乗せしてくる、工事がずさんであったり、実際は安くない等がありえます。


実績が少ない・創業してから浅い・やたら若い・・・東日本大震災後のソーラーブームで立ち上げた会社などは要注意です。

ソーラーパネルの施工に必要な瓦職人が居なかったり、素人作業員が作業する可能性があります。

下手すると、屋根からの雨漏り、ケーブルを伝っての雨漏り、宅内への浸水が発生したり、また素人作業員による施工で、住宅を破損(瓦を破損・ずらす)されたり、台風ですぐに壊れるなどが発生する可能性があります。雨水の仕舞ができない・理解していない作業員が工事をすると悲劇、家を傷めることになってしまいます。


契約を急がせる・・・飛び込み営業で来て、「1週間以内ならばこの価格なので、早く申し込んで欲しい」など、やたらと契約を前倒しさせる場合はかなり注意した方が良いと思います。

金額が安くない場合だったり、経営が危ない会社、悪質業者のリスクも潜んでいます。ひどい場合は手付金や前納金として一部金を支払いさせて、ドロンという場合もあります。あくまでも飛び込みで来るところは、注意して対応する方が良いです。


Googleストリートビューで所在地を探しても会社が存在しない・事務所への訪問を嫌がる

事務所が無い(ペーパーの会社)可能性があります。住所を打ち込んでGoogleMAP(ストリートビュー)で見えないような会社は注意した方が良いです。例えば「事務所にお伺いして詳しく教えてください」という切り替えしで、嫌がる業者は注意した方が良いです。


メーカーの指示された施工方法を守らない

メーカーは瓦へは穴を空ける方法しか許されていないのに、異なる方法で施工もできる、などのメーカ指定方法以外を勧める業者は注意した方が良いです。メーカーサポートを受けられないなどが生じます。

まあ、そんな感じです。とにかく、こっちの都合を考えずに訪問してくる業者は、注意した方がいいと思います。

 

交渉・工事の注意点

どうしても価格交渉などは必要になってきます。

多かれ少なかれ、まずは「吹っ掛け」てきます。言い値で契約することは絶対にやめましょう。

 

以下は気づいた注意点です。ご参考になれば。

価格が大幅に下落しているので、必ず最新の価格で見積もりした方が良い。

会社によって提示価格が変わってくるので、「複数社」で「相見積もり」は必須。

予算規模を事前に伝えておくことは大切

なお、あらかじめターゲット価格を決めて、この価格を下回ると即決する「即決価格」を業者に提示するというのも手です。(業者も、交渉で長引くことは、営業費がかさむだけなので、早めに即決価格を提示すると、いい線で見積もりを出してくる可能性があります)

3kwより小さい発電量の場合は再考をお勧め

3kWより小さい発電量の場合、回収までに要する期間が長くなります。

じっくり考えた方が良い(=ソーラーパネルをつけないことも検討)です。

ターゲット価格の目安(2016年時点)

・価格交渉の目安です。これは結構重要です。

15万円×kW数+50万円 = おおよその目安となる価格(万円・税抜)

スケジュール

筆者は、ソーラーパネルについてもいろいろ勉強して、予算の見通しがついて、設置を決意!!してから・・・以下のような流れでした。ご参考まで・・・

色々と事前調査をして、導入すると決定!!してから・・・結構時間がかかりました。

<7月> 業者への頭出し(複数社に頭出しした方が良い)

<7月> 現地調査・概算提示 …立ち合いが必要

<8月> 見積もり・発電量見込み提示 …予算と照らし合わせて・・・

<8月> 価格交渉、業者選定 …頑張りどころ

<9月> 工事日調整(場合によっては再度現地調査)…立ち合いが必要

<10月中> 契約

<11月上> パネル工事・コンディショナー工事

立ち合いが必要です。大体丸1日〜2日で終わるが、雨の日だと別途調整。

〜まだこの段階では発電した電気を使用できません〜

<11月上> 電力会社への申請・経産省への申請・・・業者が実施

<11月中> 電力会社電気接続工事・メーター工事…電力会社が実施します。立ち合いは不要な場合が多い

<11月中> 宅内装置電源系統切り替え作業…立ち合いが必要

〜これでソーラーパネルの電気が使用できます。売電もできます〜

※頭出しから売電まで早くても4〜5か月程度は要したので、このあたりのスケジュール感も大切です。


太陽光発電、設置から売電のリアル・・・した。 

あくまでも一例ですが、もし困ったら参考にしていただければ幸いです。

 

<おわり>