はじめての金魚の飼い方

多くの失敗から得た、縁日・夜店などの金魚すくいの金魚を元気に長生きさせるノウハウ集、白点病・尾ぐされ病など病気対策、失敗例
(2004/11/13 初版、2019年更新)

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金魚すくいの金魚を元気に長生きさせたい!

花火大会の金魚すくいがきっかけで、金魚を飼い始めました。

水槽を買い、泡が出る装置「ぶくぶく」も用意し、カルキも抜き、準備万端で飼育し始めましたが・・・、次々と死んでいき、2週間で全滅してしまいました。(>_<)

金魚の飼い方 2004.8 金魚すくい直後

その後、金魚やどじょうやめだかを飼ってみるものの、白点病や尾ぐされ病になり、次々と減っていってしまいました。

・・・金魚がどうしても長生きしない。

試行錯誤と情報収集の末、ようやく元気に飼う方法が分かってきましたので、まとめました。

金魚の飼い方

2005.8 試行錯誤の結果、魚達はすくすくと育っております

それ以降、魚はほとんど死なずにすくすくと大きく成長し、卵を産んで、2世を誕生するまでになりました。

本ホームページでは、多くの犠牲から得られたノウハウを元に、ゼロからでも金魚を元気に育てていく方法をご紹介いたします。

早速ですが、

次のことをすれば、金魚すくいの金魚でも、元気に育ちます

(鉄則1) 「水槽」「泡が出る装置(ぶくぶく)または循環式ポンプ」を買います。

・「ぶくぶく」「循環式ポンプ」を使用せず、小さな水槽やバケツで飼育すると、酸欠と水質悪化で早期に死にます。

・水槽のサイズに応じた魚の「定員」を守ります。超えると金魚の排泄物が浄化できず中毒死します。

循環式ポンプ(ろ過装置付き)の使用を推奨します。水質の低下が防げます。

・循環式ポンプと、泡が出る装置(ぶくぶく)の併用を推奨します。

・2〜3匹ならば充分大きい水槽でもポンプ無しでも飼育できます。但し、餌を極力少なくします。水草などは入れておきます。

・最近、ポンプとフィルタが一体化し、水中に設置するタイプの小型循環式ポンプも販売していますが、発熱により水がぬるくなることがあり、お勧めしません。

(鉄則2) 日陰の涼しいところに水槽をおきます。

・水温が上がると魚は弱ります。直射日光が当たるところはNGです。春や秋でも直射日光が当たると、水槽の水がお湯になり、魚が死にます。

・屋外の場合は、日陰や北側が良いです。 どうしても直射日光があたる場所の場合、すだれなどで日よけをしてあげます。

・屋外の場合は、水草(カボンバなど)を入れてあげる良いです。

(鉄則3) カルキ(塩素)を抜いた水を入れます。

・水道水にはカルキ(塩素)が含まれているため、そのまま使うと魚は弱ります。

・バケツなどに入れてから一日置いた水か、水道水にカルキ抜きを入れた水を用いてください。

・塩素を除去する効果がある浄水器・浄水ポッドの水も利用OKです。

(鉄則4) バクテリアを買って、水に入れます。

市販されている「金魚用のバクテリア」を必ず水槽に入れます

・バクテリアが、金魚の出すアンモニアや排泄物を分解して、浄化するので水質悪化がなくなり、金魚が死ななくなります。

・水槽の水から「ツン」という臭いがした時は、水が浄化できていない証拠です。水を変える必要があります。

(鉄則5) 水質を安定する効果がある「砂」を入れます。

・ペットショップ等で販売している、水質を安定する砂(GEX濾過サンド等)を入れると、水質が安定して、金魚に病気が発生しにくくなります。

・安価で売っている砂には、水に溶けてしまうタイプのものがあり、水質が悪くなることがあるので、あまりお勧めしません。

・ゼオライトという観賞魚用の砂がありますが、ゼオライトは塩水に入れると吸着されていた悪い成分を放出する特性があるので、塩分には注意。

(鉄則6) 餌はあまりあげなくてもよい。

食べ残した餌は水を汚し、病気の原因となります。数分で食べきれるだけの量が良いです。

・水草などを入れておくことで食料の代わりになります。(ただし蛍光灯や薄日が当たる必要があります)

・メダカの餌などの小さい餌は、魚の胃腸にも負担が無く、入れる量もおのずと少なくなるので、お勧めします。

(鉄則7) 水は頻繁に交換しません。

・安定しているときは、頻繁に水を替えなくても良いです。

・水を変える時は、せっかく育ったバクテリアを減らさないためにも、1/3以上の水を残して交換してください。

(鉄則8) 金魚すくいの金魚と、元気な金魚は混ぜない 

・金魚すくいの金魚は、病気を持っていると思ってください。餌に抗生物質を混ぜて与えられている魚もあります。その場合、数ヶ月で一斉に死ぬ可能性があります。

・元気に育っている金魚の中に、金魚すくいの金魚をいれると、元気な金魚まで全滅する危険があります。金魚すくいの金魚は、別の水槽で1ヶ月程度飼育し、生きのびることを確認してから、他の水槽の魚と混ぜてください。

・金魚をひとつの水槽に混ぜる必要が無い場合は、あえて同じ水槽にいれる必要はありません。

(鉄則9) 病気が出ればフィルタの清掃・追加 ⇒ 水槽に広がったら鷹の爪も

・病気が見つかったら、まずはポンプなどのフィルタの清掃・交換、水の交換をします。

・白点病は、循環式のフィルタ(綿)を交換・増量することで、一旦金魚の体から離れた虫の、金魚への再付着を減らすことができます。

・病気を広げないためにも、新しい水を入れたバケツに病気の魚を移します。水に食塩を入れる(2掴み程度)ことで、病気が改善することがあります。

・効果のほどは良くわからないものの、白点病と尾ぐされ病の魚・ドジョウは唐辛子(鷹の爪)で治りました。

(鉄則10) 石灰(貝殻等)を少し入れも良い

・水質は金魚の排泄物等で酸性になりがちです。水質が安定しない場合、貝殻などをいれると水質が安定することがあります。

 (貝殻がない場合は、石灰で固められた「3日間フード」で代用できます)

・たくさん入れる必要はありません。

では、それぞれ詳しくご紹介いたします。

飼い始める時の準備

■水槽

金魚の水槽は、できるだけ大きいほうが良いです。小さい水槽では、水質の悪化の進行が早くなります。

水槽には、泡が出る装置「ぶくぶく」をセットします。可能ならば、循環式(水を吸い上げて上から落ちてくる方式)ポンプを用いると水質が安定します。

写真のセットでは、「ぶくぶく」のところに活性炭のマットが入ってあります。マットが水質浄化を行うバクテリアの住みかになるようです。



GEX社の循環式のポンプです。1000円でした。



こんなセットもお勧めです。 45cmサイズで2000円ぐらいでした。

水槽を置く台は水槽より一回り大きいほうが良いです。そして結構な重量になるのでしっかりした台が必要です。

■水

水道水はそのまま用いずに、丸一日、バケツなどに入れて放置して塩素を抜くか、水道水にカルキ抜き(ハイポ)を入れて、混ぜた水を使います。カルキ抜きは100円程度で売っています。

なお、これまでの経験上、浄水器や浄水ポットで濾過した水を使用すると病気等になりにくく、良いバクテリアが繁殖しやすいので、ぜひともお勧めします。

■バクテリア・アンプル(★ポイント)

金魚の飼育本には、よく、「水質安定のためにはバクテリアを入れます」などと書いてあります。

以前はバクテリアの入手は難しかったのですが、最近ではホームセンターなどのペットコーナーでも入手できます。

「バクテリア 水をきれいにする(日本動物薬品)」という商品は2つのアンプルのようなものが入っていて、水槽の中にそのアンプルのようなものを入れると、バクテリアが広まっていくというものです。

 

(左)バクテリア・アンプルです。これを入れてから水の臭みが無くなりました。400円程度です。

(右)さらに1リットルのバクテリアが入っている液体(PSB)も売っていました。1000円程度でした。

バクテリアは、しばらく金魚を飼育していると、自然に繁殖するそうですが、飼育している金魚の数が多かったりすると、バクテリアの処理が水質悪化に追いつかず、水が臭くなり(ツンとしたアンモニア臭)、金魚が死んでしまうことがありました。

なお、バクテリアを安定させてからは金魚が死ななくなりました。

■水温

水温が高いと良くありません。30度を超えると危険です。直射日光があたらない涼しいところに水槽を置いてください。

冬でも日光が当たると水温は30度を超える場合がありますので、気温が低いからと言って日が当たるところに置くことは厳禁です。

ちなみに、「金魚が病気にかかれば水温を上げれば治る」という情報があり試してみました。しかし、熱さで金魚がさらに弱ってしまい、全滅しました。(どじょうだけは生存していました)

金魚を飼いはじめるならば、夏よりも涼しくなり始める季節がいいと思います。

■砂

ペットショップ等で販売している、水質を安定する砂(GEXの濾過一番サンド等)を入れると、水質が安定して、金魚に病気が発生しなくなりました。ホームセンターで売っている庭に撒く石でも構いません。

■水草

水草は、

 ・水質の浄化になる
 ・数日外出で餌をあげられないときの餌代わりとしてつかえる
 ・どじょうの休憩場所としてつかえる
 ・魚の隠れがとしてつかえる
 ・魚同士の仲が悪いとき、魚の視界を妨げることで魚同士の喧嘩を減らすことができる

など、さまざまなメリットがあると思います。

ただ、水草に虫や謎の貝が付着してくることがありますので、水道水で洗うなどをしてください。

■住みか

コップなど、魚が隠れられるような物を入れてあげると、魚がそこに入って寝たり休憩をしたりします。また、循環式等で水槽の水流が早い場合、小さな魚はコップなどに入って休むこともあります。

※購入する場合、楽天市場で安かったお店を選んでみましたので、適宜、ご利用ください ⇒ ここ

飼育方法

■飼育する数

水槽の大きさによって飼育する金魚の数に限りがあります。

  金魚ばち・・・中型で1〜2匹程度

  45cm水槽・・・中型で3〜4匹程度

  60cm水槽・・・中型で5〜6匹程度

だそうです。金魚すくいサイズの場合、もう少し多く入れることができると思います。

なお、魚を多く入れすぎると、魚が出したアンモニアがバクテリアで浄化できずに中毒死します。ご注意を。



これは悪い例です。45cm水槽に最高12匹入れていました

■餌の種類

餌は、市販の金魚の餌でいいでしょう。御飯粒なども食べますが、水が汚れるのでお勧めできません。

また、「虫」系の餌もありますが、寄生虫が混ざっている可能性もありますので、注意してください。

■量・回数

回数:金魚がいくら欲しがっていても、一日一回程度にします。

量:金魚の餌を5〜10粒程度*金魚の匹数で良いでしょう。余った餌は、アミですくって取り出してください。特に夏場は残った餌で水が腐ります。

■水の交換

水質が安定している(ツンとした臭いがしない)場合は、夏場は半月、秋〜冬場は1月に1回程度、半分程度水を交換すれば良いでしょう。全ての水を交換すると、せっかく水質を改善するために繁殖したバクテリアも流してしまうことになりますので、ご注意ください。

もし、よろしければ・・・ご活用ください

病気の見分け方

■背びれ

金魚は、飼い始めた当初はよく病気になります。金魚の体調を見分ける方法は「背びれ」です。

元気な金魚は背びれが「ピン」と立っています。

様子がおかしい金魚は、背びれがたたまれていたり、縮んでいます。

背びれが「ピン」と立っていない場合は、なんらかの調子が悪い(水質悪化・病気)と思ってください。



どじょうでも、背びれがピンと立っていれば元気の証拠です

■体表の異常(白い点々など)

経験上、「白点病」という病気にかかる金魚は多いです。

白点病は、寄生虫の一種で、体表にくっついて金魚の栄養を吸い取ります。また体表に傷をつけます。金魚の体表に白い点々が見えると病気です。

さまざまな治療を試みましたが、いづれも失敗(失敗例)。しかし、「唐辛子療法」(下記記載)をすると比較的高確率で治りました。

一番効果があったのが、循環式ポンプのフィルタの強化でした。(下の方に記載しています)

■尾っぽの異常(尾っぽが消える)

尾っぽが消えていったり、骨だけが露出する病気がかかる金魚も多いように感じます。

尾っぽがやせ衰えていったり、尾っぽの中にある骨のような白い筋が露出していた場合、尾腐れ病などの病気です。

これも同じように、経験上、「唐辛子療法」(下記記載)で治りました。他の療法では残念ながら治りませんでした。(失敗例

 

病気になった時の対策


■さまざまな療法

これまで、飼った金魚の多くが、「白点病」「尾腐れ病」になってしましました。

特に秋〜冬にかけて、季節でいうと11月〜12月に病気が広がりやすいような気がします。

そこで、さまざまな情報を元に、(1)水槽の水を替える (2)温度を上げる (3)塩を入れる (4)塩を直接つける (5)イソジンを入れるという、療法をしてみました。

その結果、

(1)水槽の水を替える → 慣れた水から変わった事で、金魚がさらに弱ってしまう。
(2)温度を上げる   → 金魚は高温が弱いため、さらに弱ってしまう。
(3)塩を入れる    → 元気になる場合もある。ただし、塩の分量の調整が難しい。また水草などは枯れてしまうので水槽に直接入れるのは避けたい。
(4)直接塩をつける → 白点病の付着が取れたものの、すぐにまた付着するようになり、数日以内に死んでしまう。
(5)イソジンを入れる → 金魚が極端に弱ってしまい死んでしまう。

ということで、いづれも失敗。(失敗例はこちら

■唐辛子療法(トウガラシを使います)

ある日、生き残った3匹の金魚すべての体に白い点々ができ始めました。背びれもたたまれて、動きも鈍く、息苦しそうです。

もうだめか・・・と思ったとき、ネットで情報を検索すると「唐辛子」がきくとの記載がありました。



鷹の爪です。100円ぐらいで買ってきました。

半信半疑で、唐辛子を半分を「お茶」を入れるときに使う紙のフィルター袋(お茶パック)に入れ、水槽に浮かべてみることにしました。



トウガラシを半分に切り、中の種を取って、お茶パックに入れて、水槽の中に入れたもの

・・・すると、翌日には早速白い点が消える金魚が現れ、4日後には全ての金魚の点々が消えてしまいました。

さらに、背びれも「ピン」と立ち、餌もとてもよく食べるようになりました。

それ以降、一匹の犠牲も無く、どれも健康になりました。

金魚以外にもめだか・どじょうが水槽に入っていましたが、特に悪影響は無いようです。

また、水草もすくすく育っており、特に悪い影響はないようです。

・・・ただ、トウガラシをたくさん入れるとよくないとの情報もありました。ご注意ください。

なぜ、トウガラシが効いたのか・・・・理由は良く分かりません。白点病の原因虫(ウオノカイセンチュウ)が、トウガラシに弱いから??

■塩治療

金魚の背びれが閉じた状態、しかも、泳ぎ方が不安定。時折底の方で動かない状態になっている場合、塩治療で改善することがあります。

まず小さなバケツに水を入れて、カルキ抜きで塩素を除去。

そして、塩(できれば、天然塩が良い)を入れます。量はちょっと多い目。(と言っても入れすぎない)

味としては、ほのかに塩の味がする程度で、辛いまではいかない程度。

温度は水槽の温度と大きく変わらないようにしましょう。

調子の悪い金魚をそのバケツに入れてあげます。数日で調子が改善することが多かったのですが、相当衰弱している場合は、残念ながら・・・。

ちなみに、治療中はあまり餌を与えない方が予後良好でした。

■酸性化

水槽を入れ替えた際に白点病などが蔓延した場合、水が「アルカリ性」になっている可能性があります。

魚を飼っていると自然と酸性に偏るのですが、アルカリ性になった水を早く酸性にする場合、ソイル(水槽の砂)や流木を入れることで効果があるらしです。

◆アルカリ性になるもの

・石灰、貝、炭

◆弱酸性になるもの

・ソイル(弱酸性タイプ)、流木

とりあえず、弱酸性に落ち着くタイプのソイルを敷くことで、水槽中に蔓延した後でも収束できました。

ちなみに、みかんの汁や酢酸(お酢)を入れてみましたが、ダメでした・・・

■白点病にはフィルタ強化が有効!!(追加情報)

小さな虫が原因の白点病は、数日経つと魚の体から離脱します。その離脱のタイミングで水中を漂う虫を退治することで、病気を軽減できます。

離脱してから魚への再付着まで1日程度要するため、循環式フィルタに目の細かい綿のようなものを入れて、そこで捕獲することで、再付着を軽減させることができました。

目の細かい綿のようなものは、100円ショップで入手することができます(ペットボトル再生素材など)。

なお、普段からこのようなフィルタを追加することで、水質の安定化にも効果があります。

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